ここ数年で私たちの予想をはるかに上回る速度で、インターネットに代表されるコンピュータ・ネットワークが充実してきた。それとともに私たちの生活におけるコミュニケーションツールにWWW(World Wide Web)や電子メールといった電子メディアが新しいメディアとして登場してきた。例えば友人との連絡にメールを、あるいは就職活動、レポートの資料集めにWWWを使うといったように。企業においてもこれらのネットワークを活用することはもはや常識のこととなり、この情報化への投資が競争に打ち勝つための第一段階の条件とされている。
以前は、コンピュータを介したコミュニケーション(Computer Mediated Communication; CMC)はパソコン通信という枠組で少数の人間で行われてきたが、インターネットの爆発的な普及により、その利用者も急増し、電子メールやWWWなどを通して私たちが電子コミュニティで過ごす時間が増加しつつある。今後、この速度はますます加速し、まさに電子メディアが生活に欠かせないものになることは確実である。
そのような中で私たちのコミュニケーション行動が変化してきていることに着目した。電子コミュニティといった仮想の空間、非同期性、文字コミュニケーションといった電子メディアに特有の性質が、私たちのコミュニケーションのとり方にどのような影響を与えているのだろうか。それをメッセージ分析等の手法を用いて考察し、よりよいあり方を提案していきたい。その他、電子メディア独特の表記方法、習慣にも言及し、この今までとは変わってきた行動を追求してみたい。
これによって増加してくるであろう不都合や問題点の発見、それに対応した教育対策など、そしてこれからのメディアの発展の可能性が提案できれば有意義な研究となるだろう。
本研究では特にメッセージの中に見られるエモティコンに着目してその分析を行った。エモティコンとは"Emotion" と "Icon" の合成語から成る造語で、文字中心の電子メディアに顔文字や擬音語などで情緒を相手に伝えようとするときに用いられる表記手法である。以下にその例を示す。
・顔文字、表情文字、スマイリーマーク…(^_^) (^_^;) m(_ _)m
・音声の言語化(擬音語)…(やったー)(うるうる)
・状態の言語化(擬態語)…(笑)(涙)(汗)
その他、さまざまな指標を用いてコミュニティの性格を分析し、その意味、効果などを探っていく予定である。
レポート・論文 | ゼミ発表資料 |
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卒業論文要旨[PDF形式 93KB](00/2/5発表) 〜発達科学部 人間環境科学科 生活環境論コース 卒業論文発表会資料(00/2/14)〜 卒業論文[PDF形式 174KB](00/1/29発表 00/1/31更新) 〜電子コミュニティにおけるエモティコンの役割〜 卒業論文章立て(案)(99/12/16発表 99/12/23更新) 電子コミュニティに見られる表現方法(99/10/7発表 99/11/5更新) 内容分析(模擬1)(99/9/13発表 99/9/23更新) 顔文字の考察(99/8/29発表 99/9/11更新) |
1999年 ・進捗報告(12/16) ・進捗報告(11/4) ・中間発表(10/21)[PDF形式] ・メッセージ分析(模擬1)(9/29) ・コミュニケーション行動とコンピュータ(7/9) ・人−機械−人のコミュニケーション(6/18) ・メッセージ分析(5/21) ・電子メディアによる人間行動の変容(4/30) ・漢字の認知(1/28) 1998年 ・インフォメーション・ギャップ(12/10) ・メディアの文法とネットワークへの受動的意識構造(11/26) ・情報ボランティア(11/5) ・インターネットの社会学(10/20) |